馬定延 白い手と黒い服 #01「父の書斎:ナムジュン・パイク・アートセンター」
概要
本文は、著者・馬定延による連載の第一回。まず自身が日本に留学し、東京藝術大学でメディアアートを研究する過程を語る。その過程で出会った韓国のアーキビスト、パク・サンエ氏との協力関係について紹介する。パク氏は16年間にわたりナムジュン・パイク・アートセンターのアーカイブを担当し、「沼のような作家」であるパイクの研究の難しさと楽しさを説明する。
記事は、白南準(ナムジュン・パイク)の芸術家としての生涯と、彼の多言語的・国際的な活動、特に日本との関わりにも触れる。また、2008年に開館したナムジュン・パイク・アートセンターが、「パイクが末永く住む家」という使命のもと、彼の実験精神を継承する役割を果たしていることを説明する。特に、同センターのアーカイブが抱える、作品と記録が混在する課題や、代表作《多多益善》などの保存・修復の難しさについて詳述する。
最後に、2022年に公開された「パイクのビデオ書斎」というオンラインプラットフォームを紹介する。これは、アナログのビデオ・アーカイブをデジタル化し、作品情報を無料で提供する試みであり、坂本龍一とのインタビューや日本関連の貴重な映像も含まれている。著者は、パイクを自身の研究の精神的な支えと位置づけ、その存在の重要性を再確認している。
(出典:ART iT)