山川陸|有馬町の灯籠焼き
概要
三島由紀夫の『豊穣の海(二)奔馬』を読み終えた筆者は、物語の終わりに触発され、紀伊半島の七里御浜を訪れる。有馬町では、初盆を迎えた家族が大型の紙灯籠をナイアガラ花火で焼く「灯籠焼き」が行われる。花火の光の中で灯籠が燃え上がり、形を失っていく様子を見つめる人々は、故人を偲びつつも、生きている人々の営みや、この土地に生きる他者たちの存在を再確認する。儀式を通じて、筆者は「こちらにいなくなること」への恐怖が和らいだと感じ、共にこの世を眺めている他者たちの存在を再認識する。
(出典:artscape)