高嶋慈|「コレクション展 歩く、とどまる」──路上と表現・公共性(中編)
概要
本記事は、金沢21世紀美術館のコレクション展「歩く、とどまる」における「路上」および「歩行」という行為が持つ政治性や批評性について、4名の作家の作品を通じて考察する中編レビューである。
ジュン・グエン=ハツシバは、水中の困難な歩行を通じて、社会変化に翻弄される労働者や境界線を越境する人々の姿を可視化する。村上慧は、自作の家を背負って移動するプロジェクトを通じ、不動産所有や居住に関する社会制度を問い直す。柳瀬安里は、デモ現場での朗読や路上への線引きを通じて、国家や社会の境界線の曖昧さと政治性を表現する。陳劭雄は、メディアが切り取るデモのイメージを墨画で描き、路上における身体のジェンダー化された消費という構造を浮き彫りにする。
(出典:artscape)