鵜尾佳奈|展示技術者が選ぶ公募展「ミラクルコンペ」が拓く、丸山のどかの新たな表現
概要
展示技術者チーム「ミラクルファクトリー」が主催する公募展「ミラクルコンペ」は、若手アーティストに展示プランを募集し、技術的なサポートを提供する点が特徴である。2026年5月から6月にかけて開催された同展の第2回「鼠と松」で受賞したのは、角材や合板を用いたインスタレーションで知られる作家・丸山のどかである。彼女は自宅の寝室を再現した展示空間を構築し、ネズミの足音や睡眠導入用のビートといった聴覚要素を取り入れることで、自身の不眠症体験や松の木との関係性を表現した。展示の準備は受賞決定からわずか1週間で進められ、インストーラーたちとの協働作業を通じて作品の最終的な姿が定まった。このプロセスは、作家の表現の幅を広げると同時に、インストーラーがキュレーターとしての役割も果たすという、芸術界の新たな可能性を示唆している。
(出典:artscape)